佐渡ヶ島は日本で一番大きな島です。周囲２７７キロ、面積８５５平方キロで、東京二十三区のおよそ１．５倍あります。この大きな島を舞台に、五月二十八日、サイクリングイベント「佐渡ロングライド２１０」が開催されます。
これは、佐渡一周２１０キロを自転車で走るイベントですが、一日で走りきるという競技では日本最長です。佐渡で開催されるのも今回が最初とあって、大きな期待が寄せられており、およそ千人の参加者が見込まれていいます。
佐渡でのスポーツイベントというと、毎年九月に行われている「佐渡国際トライアスロン大会」を思い浮かべる人が多いと思います。これは水泳、自転車、マラソンで構成される競技。
「また今年も来たよ〜！」
という声もよく聞く、アットホームなイベントで、ご家族連れの方も多くいらっしゃいます。
選手の皆さんは、競技はもちろんのこと、実は佐渡の大自然を楽しみにいらっしゃいます。海に囲まれた雄大な景観や海の幸。長くトライアスロン大会が続いている秘訣はそんなところにもあるのかもしれません。
今回の「佐渡ロングライド」は、そんなトライアスロン・ファンも大いに注目しているスポーツイベントです。佐渡の海岸線を一周するコースでは、断崖絶壁の海から、なだらかな砂浜の海まで、地域によって変化する表情豊かな自然美を楽しめます。他にも初心者向けのコース、親子向けのコースもあり、実力や目的に合わせて選べます。
今年はトリノ・オリンピックやワールド・ベースボール・クラシック、そしてサッカーワールドカップなど、世界的なスポーツイベントが目白押しです。そういう「見る」スポーツもおもしろいですが、選手として、あるいは応援者として「参加する」身近なスポーツもいいものです。スポーツの後は山菜をとったり釣りを楽しんだりするにも良い季節です。
「佐渡ロングライド２１０」の開催日あたりは、ちょうど大野亀のカンゾウの花が見頃になります。あたり一面をうめつくす、かれんな黄色いカンゾウの花とともに、今年はスポーツの島・佐渡としての魅力も開花しそうです。
2006.4.27 NHKラジオ「朝の随想」
真野鶴醸造元・尾畑酒造株式会社
尾畑留美子